2002年6月27日
JICA・JOCV関係者の皆様へ、
突然このような文書を送付することをお許しください。
私はミクロネシア連邦ヤップ州に長年居住し、ダイビング及び各種観光ツアーの会社を営む者でございます。国際協力事業団、ならびに青年海外協力隊の皆様には、ミクロネシア連邦におきましても、日頃より国際親善と協力のためにひとかたならぬご尽力をいただいており、誠に感謝しています。
しかしながら、昨年12月、ある日本の民間テレビ会社がヤップ州内で取材活動をした際に、ヤップ観光局勤務JOCV隊員がその取材活動に多大な協力をし、結果的にそれはヤップ州民の尊厳と利益を損なうことになった事実は、私にはたいへん遺憾なことでした。そのテレビ会社の、地元の事情を省みぬ、あるいは目的を偽った破廉恥な取材ぶりと、その結果(放映番組)は、惨たんたるものでした。
本状に添付の英文書は、その取材に巻き込まれた多くのヤップ州政府ならびに民間関係者のために、私が放映番組の内容を英語で説明し、そのビデオコピーとともに州内で配布したものです。JOCVならびに隊員の実名を挙げておりますので、ここにご報告いたします。(
コメント#1、コメント#2、コメント#3、放映後のレポート)受け入れ国側の(そして私の)JOCVに対する期待は、「任地国の人々の幸福な将来につながる社会利益のために働いてもらう(協力活動をする)ことを通して、任地国と日本とのより良い国際関係を築く」にあると思います。間違っても「日本の民間人、会社、国家の目先の利益」のために地元に押しつけ的な「援助」や「協力要請」をしてはならないと思います。また任地国以外の第三者の利益が絡む場合、あるいはその影響を測りづらい場合には、JOCVは立ち入るべきではないと思います。
2年という任期は、異文化を理解し任地の社会や人々の本当のニーズを感じたり発見したりするには短すぎる期間です。それだからこそ、各隊員はより密接に地元の人々と接触し、また任地国外(日本)からくる様々な協力要請には、慎重を期して接していくよう、隊員指導のほどをよろしくお願いいたします。
なお、本件に関して詳細を調査されるようでしたら、いつでもご協力いたしますので、ご連絡ください。裏付け資料を揃えてご協力いたします。またその際には、調査に公平を期し、すべての調査結果を関係者ならびに一般に公開されることを要望します。
ご拝読ありがとうございました。
安井三惠
Nature
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